1年前に来院、60代女性
ライゼム・ハント症候群の完全麻痺
2週間 病院にて入院
ステロイド点滴、抗ウイルス薬、ビタミン剤がメインの治療後
変化が芳しくなかったため 病院のススメで 手術(顔面神経減荷術)するも改善せずに来院
スコアは25点
来院時の様子
手術が上手くいかなかった苛立ちや不安の様子
介助が必要で 真っすぐ歩けないほどのふらつき(ハント症候群由来か?手術の影響か?)
味覚異常はない
聴覚の異常もない
顔面の状態
表情を作っていない素の状態では 極端に健常側に表情が集中している状態ではない
・口:飲食物こぼす、口角は上がらない、閉じきらない
・目:飲食しなくても涙にじむ、ゴロゴロ感や痛みはない、閉じきらない
・その他:額のシワは作れない、胸鎖乳突筋の動きもない、ふらつきは回転性ではなく船酔いに近い、吐気はない
当院の見立て
・口腔内より頬の筋肉を把握、思ったほど萎縮は少ないが、口腔内の筋肉の動きは感じれなかった
・特に口輪筋外側のこぶ状のシコリはない状態できれい、病的共同運動の心配は今のところない
・額や鼻筋、頭皮に圧痛点が複数ありので、それらを解消できれば、回復の準備につながる
・耳の周囲は 手術後のキズや保護もあり、しばらく触らないが 薬石オンドルの遠赤温熱で キズの早期回復と機能回復をねらう
・顔面部のマッサージとリハビリ的トレーニングを指導し、神経の伝達が回復した時の準備を促す
当院の主な施術
・灸:本人の希望でなし
・ハリ:口腔内からの把握による 左右の違いを目安にツボを決める、他の部位も同様に左右差でツボを決定
・電子温灸:麻痺側へのハリに付随して使用、患部の血流を上げ、回復の準備をする
・首の傾きの補正のために 頸部マイクロらせんストレッチ
・耳の周囲を中心に前後頚部、肩、顔半分まで広範囲に 薬石オンドルにて温熱
経過
・3回目施術時、ふらつき半減、手すりを持たなくてもOK、顔の変化はない
・その後、2か月間は大きな変化なかったが、2か月目に眉毛の動き確認をきっかけに、3か月までに目の状態から改善 涙も解消、閉眼も可能、目じりのシワも複数確認
・3か月を過ぎた頃より、口周りに動き確認 飲食こぼれ解消、徐々に口角上がりだす、
・5か月経過時点、顔は9割回復、若干 口を尖らせた時に力不足が残る程度、ふらつきは自宅内では解消されたが 広い公園などでは再現されるようだ
現在、メンテナンスも兼ねて 期間を開けて(月1回程度)通院